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> ニュース一覧 > 「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.63・・・留学の終わり−−中年にとって「1年」は短すぎる(ライクス)- 2018.02.16(金) 10:00

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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.63・・・留学の終わり−−中年にとって「1年」は短すぎる

ライクス

2018.02.16(金) 10:00

シアトルでは、はや桜が2分咲きに

 そんなこんなで、予定の14ヶ月は風のように去っていってしまった。もっとも私は途中、病気で3ヶ月帰国しているので、正味の留学期間は11ヶ月。

 英語力でいうと、ようやく、大人の世界への入り口に立ち降りたという感覚でしかない。渡米前は、1年もいれば、なんとでもなるでしょと思っていたが、甘かった。1年じゃどうにもこうにも、まだまだだよ、としか思えない。

 でも、ここは「セルフ・エスティーム」(自己評価)の国。謙遜文化で育った私たちの、「まだまだです」の感覚は、まさに文字通りにしか、受け止めてもらえない。「ああ、この人は1年も滞在したのに、”まだまだ”な英語力しか身に付かなかったのか。努力が足りないね」とバッサリ、切り捨てられてしまう。

 実際に、「まだまだ英語が」といってしまった私に、「いや、ぼくの日本語より立派だよ」とのたまった老年男性がいた。当たり前だろ。日本に1回行きました、というアメリカ人さえ、ほめてくれるつもりでこういうことを言う。本当に、謙遜ぐせには気をつけなければならない。

 私に必要なのは、取材できる英語力。相手に質問をし、話を聞きだし、さらに質問を繰り返す。これをするのは、確実に相手の言ったことをリアルタイムで理解していなければならないし、メモを取っておかないと後でまとめるのに苦労する。耳も手も口も、英語で動かすという、なかなか高度な作業である。日本語でするのだって、結構、大変だ。

 考えてみれば、私たちは13歳から英語を学習しはじめた。なんと30年が経っている。この間、私は、たまにNHKラジオの英語番組を聞く程度の、趣味とさえいえない程度の、のんびりした英語学習者だった。おもえば、「英語を身につける」という意味においては、もう少し、効率的な労力の投資ができなかったものだろうか。

 社内英語公用語化や小学校の英語教育の是非を巡る論議など、英語をめぐる日本人の葛藤は、私に限らず、とても根深いものがある。不惑を越えてからようやく本気で英語に取り組み始めた私の考える、もっとも効率的な英語の身に付け方を、次回に記したい。





フリーライター
長田 美穂
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。2010年8月に『ガサコ伝説『百恵の時代』の仕掛人」(新潮社)を刊行、10月よりシアトル在住。


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