最新の生き物情報

日本初!水族館生まれのヒゴロモエビ展示開始

ヒゴロモエビ展示個体

大きい方が2016年生(全長10cm)、小さい方が2022年生(全長1cm)※2022年生まれは展示を終了しました(2022年7月4日)

ヒゴロモエビは深場に生息し、底曳き網で漁獲されるため、生体の入手は大変難しいのが現状です。そこで、2015年より死亡した親から採卵し、ふ化・育成の技術向上に努めてきました。その結果、2016年にふ化した1個体に加え、2021年宮城県沖で入手した卵より複数の稚エビを得ることに成功したため、展示を開始することになりました。
ヒゴロモエビの展示自体稀ですが、「水族館生まれのヒゴロモエビ」の展示は日本初です。ヒゴロモエビは、抱卵期間が約2年あり、市場に流通する大きさ(雌)に成長するまで約7年以上かかると考えられています。ふ化・育成には時間がかかるだけでなく、飼育が難しい生物です。今後、水族館生まれのヒゴロモエビの成長を通じて、深海域に生息する稀少なエビの生態解明に寄与できればと考えています。

  • ヒゴロモエビ
  • タラバエビ科タラバエビ属
  • 学名Pandalus coccinatus

北海道~千葉県銚子沖に分布し、水深500-600mの深場に生息しています。体長が約20cmにも達する大型のエビです。通称「ブドウエビ」と呼ばれ、美しい紫色(緋色)をしています。その体色、絶品と称されるその味、そして漁獲量が非常に少ないことなどから 「幻のエビ」としても知られています。

ヒゴロモエビ2022生まれ

ヒゴロモエビ2022生まれ 全長1cm ※2022年生まれの個体は展示を終了しました。(2022年7月4日)