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> ニュース一覧 > 「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.24・・・「非英語圏の人と会話して感じた、『話せない同士』で得られるメリット」(ライクス)- 2017.10.13(金) 10:00

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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.24・・・「非英語圏の人と会話して感じた、『話せない同士』で得られるメリット」

ライクス

2017.10.13(金) 10:00

にわか地元ファンになってNBAのフィラデルフィア76ersを応

 フルブライト奨学生の研修ツアーがあり、4泊5日でフィラデルフィアへ行ってきた。集まったのは文字通り世界中からアメリカにやってきた学者さんたち46人。

 初日夜、自己紹介で、私が「日本の地震について、世界中の人が関心を持ってくれたこと、うれしく思います。皆さん、もし街で募金箱を見かけたら、1ドルでも5ドルでもいいので、募金して下さい」と挨拶すると、翌日、ロシア人の女性学者がそっと近づいてきて、10ドルを私に手渡した。「募金箱は私の街ではどこにあるか分からないので、代わりに、お願いします」

 お見舞いの言葉も十分にありがたいが、こうして実行に移してくれる人には、頭が下がる。アメリカにいると、100円近い「1ドル」が、1という数字に目くらまされて、とても小さな額だと勘違いしてしまう。でも10ドルは、日本円にして1000円近い。私は四川大地震の時に、ハイチ地震の時に、いくら募金しただろうか。絶対に、1000円はしていない。

 この出来事だけでも、来てよかったと思ったのだが、今回、この研修に参加して得た貴重な実感があった。それは、「非英語圏の人との交流で得られる、コミュニケーション力強化」という体験であった。

 集まった46人は、1人のカナダ人を除けば、全員が非英語ネイティブだ。私のジャパニーズ・イングリッシュも相当な訛りにきこえるだろうが、インド人にはかなわない。滔滔と、流暢に、ものすごく独特なアクセントと発音でしゃべり続けている。

 ロシア人もすごかった。ロシア語でしゃべっているのかしら、と思うとよく聞けば英語だった、ということが幾度もあった。というのも、旧ソ連の国々、ウクライナやカザフスタン、ウズベキスタンといった国から来た人達は、みな、共通語のロシア語で会話する。エレベーターの中で何人かが一緒になり、旧ソ連組が複数いると、すぐに会話がロシア語に切り替わる。

 意外、かつ脅威に感じたのは、中国人の英語のうまさ。日本語と同じく、どの音にも母音がくっつく言語だから、日本人の英語のように、母音がうるさい英語を話すのかと思っていたがそれほどでもない。おまけに、英語と中国語は文章の構造、つまり語順が似ているせいか、長い構文を使うのがうまい。
 
 それでも、それでも、である。英語力でいっても私より圧倒的に高い人がほとんどだったが、私はこの期間、コミュニケーションがものすごく楽しかった。水を得た魚のように、誰にでも、くったくなく話しかけることができた。日本にいた時の「自分」を、取り戻したような気分だった。

 アメリカに来て以来、いつも、誰に言葉をかけるにも、気後れしているのが、今の私である。3日目の晩に、ふと、「なぜここに来てから、気分がスッキリしているのか」と、ふと考えた。

 思い当たったのが、相手が非英語圏の人ばかりだからだ、ということ。

 人とコミュニケーションをする時に、どのようなバックグラウンドの人か、知的能力はどのくらいか、怒らせたら危険かどうか等々、相手を観察し、悪く言えば「値踏み」しながら、言葉を選んで発しているのは、私だけではないはずだ。

 英語では、私は、自分の「知的能力」の4割減の状態でしゃべっている感覚である。元が低いし、単純に、4割減のダメージは大きい。要するに、自尊心低減状態。相手のアメリカ人は、自分よりとても大きくみえる。バカだと思われてるんじゃなかろうか、といつもびくびくしながら、それでもしゃべらないと向上しないし、と自分に負荷をかけながら、なんとか、言葉を口にしている。

 それがないからだ、と気がついた。英語エリートではない人たち(知的には、きっとみんなエリートなのだろうが)が相手だと、それだけで、相手と自分との知的距離がすこし、近いように感じられる。実際には、とてつもない知的距離があったとしても、それを感じさせないという特長が、非英語圏の人との会話にはある。よって、怖じ気づくことなく会話を楽しめる。それが自信につながり、さらに別の人の懐にも飛び込んでいける。

 シアトルに帰ったら、非英語圏の人との付き合いを強化する方法はないものか、考えてみることにした。




フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
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下巻
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問題少女 第1巻〜最終巻
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株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

企業情報 企業データ

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