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> ニュース一覧 > 「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.38・・・サークルで体得、ジョークへの切り返し方(ライクス)- 2018.01.22(月) 10:00

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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.38・・・サークルで体得、ジョークへの切り返し方

ライクス

2018.01.22(月) 10:00

 アメリカの空手サークルは、日本の道場とはまるで違う世界だった。日本の道場は、幼稚園生からシニア世代までが一緒に稽古していたので、基本的に、道場生に無理はさせない。20-30分に一回、1分から3分程度の休憩を入れながら、水をのみのみ、やっていた。内容も、だれもができる稽古が中心、激しい蹴りや自由組み手など、ヘルニア持ちにはきつい時は「パスします」もOKだった。
 
 ところが大学サークルは、10代の学生から40代の社会人が中心なので、要するに体力、気力に満ちあふれた世代である。2時間の稽古中、休憩は一切なし。水も飲めない。しかもメンバーは男性がほとんどで、153センチの小柄な私が、190センチを超える屈強な男とスパーリングをするという羽目に陥った。

 これでは身に危険が及ぶ。

 「ええっ、それ、きつそうなトレーニングだわ」「できるか、自信ないわあ」 

 等々、つぶやく機会が多くなった。アメリカ人は笑いの沸点が低いので、聞いた人はくすっと笑ってくれる。自然な流れで、私は「道場のダメキャラ」を演じるようになっていた。

 そうこうするうちに、何となく、アメリカ人を笑わせるコツを体得していった。

 いや、厳密にいうと「仲間内の」アメリカ人を、と加えた方がいい。日本にいる時と同じく、こちらでも、その人の「キャラ」が立っていると、短いやりとりの中で、一瞬、ポイントを外すとか、強気で切り返すといった、ぼけ、つっこみが通用するようになるのだ。

 私の場合、「茶帯なのに、実力はイマイチ」「稽古では寡黙なのに宴会は大好き」「中年である」といったキャラクターを、いつしか自分で設定していた。となると、このようなやりとりが可能になる。

 先生「さあ、今日は何をしようか。参加者が少ないから、みんなのアイデアを募ります。ミホ、なにかある?」
 私 「アイデアって、空手について?」

 みんな大爆笑。私が空手サークルに入って感じた恩恵は、稽古よりも仲間作りについてが大きかったので、私は欠かさず、ピザパーティや食事などの宴会に出席していた。先生が時々いう「今日は稽古のあと食事に行こう。どこがいいか、アイデアある?」に、図らずもかけていたのだ。

 さて宴会では、だれが何歳かという年齢についての話題になった。

 男性「ミホは何歳なの?」
 私は彼をにらんで「あなた、私に年を聞こうっていうの?」

 一同大爆笑。これも、私は「アジア人だから白人に混じると年齢不詳だが、実はけっこう年を食っているらしい」という了解が、みなにあるから可能になったジョークだ。

 人を笑わせるようになると、その場での親密度が高まり、ジョーク仕掛け人の存在感は上がる。もちろん、これは「サークル仲間」という関係性がある中だからこそ、通用するジョークでしかない。シンポジウムで質問する時、パーティーで会話をする時にジョークを交えて効果的に注目を集める、といったネイティブの上級ジョークとは質が違う。

 それでもこれができるようになったおかげで、私は、アメリカ人と楽しく話すことへの自信を少し、持つことができるようになった。「ここで突っ込め!」「ここでボケてみよう」という、会話の呼吸を、つかめるようになってきたからだ。

 集団の中での立ち居振る舞い方を覚えるきっかけになったのが、この、空手サークル入門であった。たぶん、これは空手に限らず、同じ趣味をもつ仲間と定期的に顔を合わせる機会をもつことの、効用だと思う。




フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
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下巻
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問題少女 第1巻〜最終巻
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株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

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