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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.57・・・点数化できない英語力-「ナイスな切り返し」ができるようになるには

ライクス

2017.11.15(水) 10:00

 「間合い」に続いて大切なのは、人の言ったことにどうリアクションするか。「反応力」である。リアクションって、お笑い芸人かよ。と思った方には、実はその通りなのだと言いたい。

英語力の低い人間は、どうしても、「今この人が言ったこと、私の理解でいいのかな。聞き取れてるかな?」と自信をもたずに会話に参加しがちになる。フフン、ハハンと曖昧な理解のまま、相づちを打ち続けてしまう。4,5人のグループの1員としてこれを10分も続けていれば、もはや、その人は「空気のような存在」だ。いつしか参加者はその人に対して、視線を投げかけさえしなくなる。その人は「いないもの」として、話はどんどん発展し、その人を置いてきぼりにしたまま、笑いがわき起こる。

これをされた日の屈辱感とは――。でも留学や赴任でアメリカにやってきた人ならみな、この悔しさを少なからず積み重ねてきたはず。私はなどは地団駄を踏みたくなる思いを、この1年で、数限りなく味わった。

それはあなたのリスニング力が低いからでしょ、聞き取りの力を高めればいいだけの話では、と思う人もいるだろう。それは違う。正確に聞き取れたとしても、受け身なリアクションしかできない人は、いつまでたっても話には加われないものなのだ。それになにより、英語力はどんなにがんばっても、急上昇などするものではない。10代の若者留学ならいざ知らず、中年留学では。

ではどうすれば「空気のような存在」から脱出できるのか。悪戦苦闘の末、私は、ちょっとした、使えるテクニックの存在に気がついた。

何でもいいから人の言ったことに、とにかく、大げさにリアクションしてみる。これだけのことだが、やってみると、グイっと引きがくるものなのだ。

初級編は、たとえばこんな感じ。
「私の妹が昨日、交通事故を起こしちゃって」と言う人がいれば、
「Oh, my god!! What happened? Was she OK?」
ポイントは、最初の「Oh, my god!!」。「Oh, no!」でもいい。「なんてことなの?」という感情を込めて、天を仰がんばかりに、眉をひそめて言う。私たち日本人には、いかにもアメリカンな表現で、なかなか口に出しにくいフレーズだけれど、ここではばかっていてはいけない。リアクションは、簡単な言葉で十分。ぽん、とタイミングよく出るのが全てのカギを握る。

それから、すかさず質問を重ねるのが次のポイント。相手が私の言うことに答えざるを得ない状況を、作ってしまうのだ。「交通事故」は場合によっては深刻な話題だが、「風邪を引いちゃって」とか「家に一晩帰ってこなくて」といった、そう深刻ではない話題でも、逆に、いい話に対してもこの手は使える。「大げさフレーズ」と「質問重ね」。私の中ではリアクション第一の法則、だ。

中級編は、「ボケで切り返す」。

以前、空手サークルの集いで年齢が話題になった時に「あなた、私に年を聞こうっていうの?」と切り返して笑いを取った、というささやかな成功体験を書いた。(No.38「サークルで体得、ジョークの切り返し方」)

その時に私が使ったフレーズ「Are you asking me?」は、実は、他のアメリカ人との会話から借用したものだ。アメリカ人男性が、シアトルでコーヒーのおいしさで10指にあがる店があるというので、ついて行ったことがあった。けれども店に入ると彼は、「実はぼくはコーヒーが飲めないから、紅茶にする」と言う。内心、「ええー?なにそれ」と思いながらも、当時の私には、まだ、そこにつっこみを入れるセンスがなかった。

メニューをみると、なじみのない名前のコーヒーがいくつもあって、なんだかよく分からない。そばにいた彼に「アメリカンとドリップって、どっちがおいしい?」と聞いてみた。あらてめて振り向き、私の目を見て、彼が言ったのが「Are you asking me?」

そうだった、コーヒー飲めないんだよね。ブハッと吹き出してしまった。

思えばこのフレーズは、「私の弱みについて、聞きたいんですか?」といったニュアンスを含んでいる。ちょっとボケ気味の切り返しだから、嫌みにならず、いろいろな場面で応用がきく。誰かが、なんとなく言った一言に、「Are you asking me?」と言ってみるという高等テクも使ってみた。いや、別にあなたに聞いてないけど、と一同、つい笑ってしまうという好結果を招いた。以来、お気に入りで、何かと重宝している。

同じく中級編の応用で、「誇張表現で答える」というものも。一例に、私がルームメートと交わした、ある朝の会話でくすっと来たものを挙げてみよう。

「今日はこの子(愛犬)は親友の犬に会いに行くんだ」とルームメイト。愛犬には親友がおり、二頭は会えばいつもラブラブ、「Gay Lovers」とルームメイトは呼んでいた。「彼には、『今日はそういう気分じゃないんだ』っていう日はないの?」。私は聞いた。ルーミーは、オー、ノー、という顔をして言った。「That doesn’t exist.」
 ただの、「ノー」で済むところを、わざわざ強調の「do」をくっつけて、「存在しない」と言っている。こういう誇張表現、アメリカ人はよくするのだが、私たち外国人にはなかなか真似できない。でも「あるの?」「ないよ」の「ないよ」に相当するフレーズなのだから、覚えてしまえば、これまた応用がきく。

ちょっとした会話のアクセント的カードとして、アメリカ人に切り出してみよう。くすっとくるか、お、やるなという表情を持って受け止められるだろう。そこで満足して放置せずに、すかさず二の句を継ぐのがポイントだ。この一言のリアクションで、ボールの流れを変えて、自分の話せる話題につなぐ。さてここからは、一人ドリブルでどこまで盛り上げられるか、リアクションの次の力が必要になる。

いやあ、書いていて自分が嫌になる。なんとも、せせこましい努力っぷり。これらのリアクション力、つまるところは、自分が「これは使える」「面白い」と思ったリアクションのパターンを覚えて、自分の手駒にするというだけのこと。そしてそれを、思いっきり面の皮を厚くして、すかさず繰り出していく。ただそれだけのことなのだ。

私は実体験から例を挙げたけれど、映画やテレビドラマの一場面など、ネタはどこにでも転がっている。手駒を増やして、使いこなしていけば、少しずつ、脱・空気のような存在ができるようになっていく。英語テストの点数には表れない、けれども覚えて使う勇気を持ち合わせなければ、英語で人とコミュニケーションができるようにはならない。このリアクション力、これも一種の英語力だと、私は実感している。



フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
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下巻
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問題少女 第1巻〜最終巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/215228


株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

企業情報 企業データ

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