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> ニュース一覧 > 「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.61・・・点数化できない英語力 その6 英語で自分の「味方」を増やしていく(ライクス)- 2018.02.14(水) 10:00

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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.61・・・点数化できない英語力 その6 英語で自分の「味方」を増やしていく

ライクス

2018.02.14(水) 10:00

 アメリカと日本の違いは何か、とよくアメリカ人に聞かれる。うっと言葉に詰まる。それには答えられないんだ。だって、アメリカ人の悪口みたいになってしまうから。
 それは、一度目に会う人は、みんないい人。社交的だし、親切になにかと教えてくれようとするし、どうしてそんなに、と不思議になるほどみな明るい。取材に行っても、たいがいは「じゃあ、さらに質問があればメールして」といってくれる。
 でも話が違ってくるのは、それから。「さらに質問があれば」を当てにして、メールしても、返事は来ないことはざら。大学のクラスで、とても親しくなったと私は思った学習グループの3人に「土曜日に寿司を食べに行かない?」とメールしたら、1人からは「いつか食事にいきましょう」、あとの2人からはスルーされた。うーん。日本人なら「ごめんなさい、寿司は好きじゃないのでまた別の機会に」くらいの社交的返事はしてくれると思うんだけどなあ。
 それはともかく、なにがいいたいかというと、ここでは人と繋がりを作るのがとても難しいということ。私の英語力が足りないという大前提はあるけれど、在米10年以上の日本人や私よりずっと英語のうまいフランス人とも、同じような愚痴で盛り上がれる。「そうそう、表面的にはみんないい人なのよねー」と。
 その理由は、おそらくこう。ここでは、家族や恋人との時間を含む、自分の時間が最優先事項。その次が友人つきあい。この「友人」の範疇にさえ入らない人とのつきあいは、二の次三の次どころではない「いつかチャンスがあればね」くらいの末梢事項なのだ。
 
 それでも、その難しさの中で、なんとか人との繋がりを作っていくのが、生きていくには欠かせない。それを英語で、というのがまた難題だ。
 けれども最近ようやく分かってきた。「英語で」が難題だと考えること自体が、間違っているのではないかと。

 じゃあ私が、知らない人とあった時に、どんな人となら「これからもつきあっていきたい」と思うだろうか。考えてみた。
 一つは、自分にとって利益になる人。私の場合なら取材に協力してくれるとか、何かを教えてくれるとか。もっと大切な利益があった。そう、仕事をさせてくれる人だ。私の企画に同意してくれたり、その人の企画に私を誘おうと思ってくれる人。会社勤めの人であれば、頼れる上司、かわいがってくれる取引先にあたる、それ。
 二つ目は、直接的な利益にならなくても、その人の話をもっと聞きたい、と思わされる人。要は、面白い人、魅力的な人であるということ。三つ目は、自分に関心をもってくれたり、自分のことを好きになってくれる人。相手が、私の話を聞きたいと思ってくれれば、こちらもその要求に応えたい、と思うもの。
 では異国にいる人間が、この国の人に「つきあっていきたい」と思ってもらうには、どうすればいいか。そう、相手にとっての利益になれるか、面白い人であれるか、その人に関心をもっている、あなたの話を聞きたいと伝えることができるか。要はアクティブに、人に何かを提供し、自分のことを語り、人の話を聞く。これは英語でアメリカ人を相手にするのであれ、母国語で母国人を相手にするのであれ、同じなのだ。そのことに、ようやく気がついた。

 しかしこう思う人もいるだろう。英語力と関係ないなら、「点数化できない英語力」でもなんでもないじゃないか、と。
 では英語を身につけるのは何のためか、考えてみよう。私が参考にするのは、上岡陽江さんという、女性の薬物依存のための施設を運営している方の、講演で聴いた話だ。(記憶違いや、あやまりがあったらごめんなさい!) 
 人はみな、人に囲まれて生きている。この状態を、上岡さんは、私たちはみな、自分の応援団に囲まれて生きている、と言っていた。応援団は、自分を中心にして、内側から外側へ、いくつかの輪を作っている。一番内側は、家族や恋人。一番近くにいる人だ。その次は、親友や信頼のおける同僚など、家族以外の、心を開ける人達。その次には会社の同僚や友達、さらにその外には近所の人、等々、同心円状にウチから外へ、人間関係が濃いから薄いへと写っていく。それらはみんな、広い意味での自分の「応援団」だ。
 けれども依存症と闘ってきたり、理由があって家族と疎遠になってしまった人は、この応援団を別の形で、作り直さなければならない。内側の円に、ボランティアで助けてくれた人が入るかも知れないし、福祉のケースワーカーや看護師が入るかも知れない。その人の状況によって、どの円にどの人が入るかも変わってくる。そうやって応援団を作り直していくうちに、傷ついた人は、回復していく。たしかそんな話だった。
 新しい国に来たら、そこへ、新しい応援団を一から作っていかなければならない。新しい職場に配置された人が、一から仕事を覚えるために、だれが親切に仕事を教えてくれるか、だれが頼れるか、周囲を見極めて人間関係を作っていくのも、本質的には同じことである。
 一方で、私たちが英語を学習するのは、これまでになかった世界と、出会ったことのない人と、つながりたいと願うから。突き詰めれば、新しい自分の応援団を、作るということではないか。
 というわけで、自分の味方を作る力は小手先の技術ではないだけに、点数化できない英語力の中でも、一番、意識的に得るのは難しいものかもしれないと思う。




フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/209499

下巻
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問題少女 第1巻〜最終巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/215228


株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

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