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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.62・・・点数化できない英語力 その7 腹の底から声を出す!

ライクス

2017.11.20(月) 10:00

サンディエゴで見つけた、かわいい手作りの石けんたち

 声の大きい人は、トクだ。会社の人事だって、企画会議だって、声の大きさでかなりの部分、決まる。なんどもなんども「海外支局に行きたい、どこでもいいから行きたい」とゴネまくっていたら、そのうちその座を手にする人がいる。内容は大したことはなくても、腹をくくって、大きな声で、もっともらしい説明をつけてプレゼンしたら、あっさりと「いいね、じゃお願い」なんて、企画が通ったりすることもある。

 英語にも、同じことがいえる。思うに、基本的に、アメリカ人は声の平均値が日本人より大きい。たぶん、抑揚のある言語を話すうちに、自然と、大きなところは大声で、の感覚が身についているのだろう。中国人もそう。音の一つ一つに四パターンも抑揚があるのだから、母国語では英語以上に、メリハリスピーキングを求められる。彼らが英語を話せば、アメリカ人に負けず劣らず、アゲたりサゲたりしながら、話す。当然、声も、基本的に大きくなる。
  
 私などは、日本人の中でも声量は大きくない。英語になるとなおさら。とくに来たばかりのころは、自信がないので、ちょっと長い文章を話そうとすると、声がかすれるかのようにか細くなっていた。これじゃいけない、と逆に意識的に大きな声を出そうとすると、う、うーん、う、う、グアーッ、と、つかえていたものがドっと吹き出すがごとく、異様な声量になってしまう。

 声が小さいと、まず、会話に入れない。いや、いったん話し始めても、すぐに、かき消されてしまうのだ。つい先日も、ポトラックパーティーで、「私の友達にこういう人がいて−」と、がんばって、しゃべっていたら、すぐに横から「あー、そういう人いるね。中国では−−−」と、例のごとく声の大きな中国人に割り込まれ、出番を奪われた。

 小学校の時から、私たちは、「大きな声で、はっきりと、話しましょう」と教室で先生に教えられてきた。集団の中では大きな声で話さないと、存在を認められません、ひいては、生きていけなくなりますよ、それは困るでしょう。あれは先生が、このように人生訓として教えていたのかもしれないと、今、30年経ってアメリカに来て思う。

 でも中には、アメリカ人にも、はっとするほど小さな声で話す人がいる。大学の授業で出会った女性の教授。娘が20歳を越えているといっていたから、50代だろう。子どもや家族へのセラピーの実践家であり、かつ福祉の問題の研究者で論文も沢山ある、優秀な人だ。

 この人は、おどろくほどゆっくり、低い声で、靜かに話す。思わず前屈みになってしまうほど、彼女の声量は小さかった。

 本人はとてもおしゃれで、人柄もあたたかい。美人ではないが、金髪で、大柄で、人をほっとさせる雰囲気の人。要はステキな女性なのだ。おそらく学生は、彼女自身に魅了されていたのだろう。彼女の授業では、だれもが、彼女の雰囲気に呑まれたように、靜かに話していた。全体として、クラスの雰囲気が思索的になっていたのは、印象的だった。

 けれども、残念ながら、それはなかなか真似られない。ゆっくり静かな声で話すという行為が許されるのは、それでも人が耳をそばだてる内容のある話ができる人に限られる。彼女の場合だって、その実績や人柄が、ある程度、教室の学生達のあいだで「前提事項」として了解されていたから、あの静かな授業が可能になったのだとみることもできる。実績も人柄も、相手に了解されていない人は、「ゼロから私を分かって!」と訴えんがばかりに、大きな声で話すしか、ほかに方法がない。

 では母国語でさえ小さな声の人間が、外国語でどうやって大きな声で話すことができるのか。

 これについては、西川きよしじゃないが、「小さなことからコツコツと」。つまり、できる部分だけでも大きな声で話す。私の場合は、こうしている。簡単なフレーズ、すでにすらすら言える言葉を使う時だけは、大きな声で、なるべく早口で話す。
 
 そうでない部分は、いやがおうにも、もたもたするし、自信がないから小声になってしまうのだ。せめて、自信もって話せる部分だけでも早口で、大きめの声でいこう。トータルで、私の語りの平均値を上げればいい。こう考えることにした。
 
 それから心がけるのは、なるべく、腹の底から声をだす、ということ。これも思いついた時だけしか実践できないのだが、腹の底からを意識してしゃべると、気持に落ち着きがでて、頭の混乱を防ぐ効果がある。ヨガなどでいう「丹田に力をこめて」、空手でいう「腰を低く落として」と通じるものがあるのだろう。

 大きな声も、TOEICでは計れないが、身につけているかいないかで、実践力が違ってくる。外国語を習得するとは、身体や頭の使い方をゼロから問い直すような要素がある。




フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
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下巻
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問題少女 第1巻〜最終巻
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株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

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