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> ニュース一覧 > ゼロから学ぶ・不思議の国アメリカ--ジャーナリスト・長田美穂のシアトル通信 No.11・・・「アメリカにはびこる不正選挙」の衝撃レポートを読む--大統領戦は大丈夫か?(上)(ライクス)- 2012.10.29(月) 13:03

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ゼロから学ぶ・不思議の国アメリカ--ジャーナリスト・長田美穂のシアトル通信 No.11・・・「アメリカにはびこる不正選挙」の衝撃レポートを読む--大統領戦は大丈夫か?(上)

ライクス

2012.10.29(月) 13:03

ハーパーズ・マガジンの11月号

 アメリカは大統領戦を間近にして、大いに盛り上がっている。

 大統領候補、副大統領候補の一騎打ちディベートは、一回戦で、ロムニー候補が予想外に、オバマ大統領に圧勝して国民を驚愕させた。ロムニーは俳優のようにハンサムで、時折にこっと笑う。これじゃ女性の無党派層は傾いちゃっても仕方ないなあ、と思わざるをえなかった。

 オバマもハンサムだけど、ディベートの時に、ちょっと言葉をかむ癖がある。ガツッと言ってほしい時に、一拍空いてしまうのだ。

 けれども2回戦、3回戦ではオバマが口撃にでて立て直し、副大統領ディベートではバイデン副大統領がベテランならではの話術で余裕の勝利--などなど、これぞ劇場型政治の元祖、とても見ていておもしろかった。

 
 私たち見るものをドキドキさせるのは、支持率がきわめて拮抗しているからだ。

 2000年、共和党のジョージ・W・ブッシュと民主党のアル・ゴアが、接戦の末、票の数えなしをゴアが要求するといった大紛糾の末、ブッシュが勝利した。投票用紙のパンチカードの穴の空き方がおかしいとか、日本では考えられない実態が明かされ驚かされたのは、記憶にあたらしい。

 そんな中、「いかに選挙で不正をするか--国を赤く塗り変えようとする共和党」と題した記事が、月刊誌「ハーパーズ・マガジン」の11月号に掲載された。

 「赤」とはアメリカでは保守派、共和党支持のことを指す。青は民主党、リベラルだ。

 筆者のビクトリア・コリアーさんはメキシコ在住の作家。選挙の透明性を求める市民活動家でもある。この筆者が調べ挙げたアメリカの選挙不正疑惑のレポートの内容は、すさまじい。日本は、まかり間違ってもこういう事態にならないで欲しいとの願いを込めて、その内容を紹介したい。

 筆者によると、アメリカの選挙不正は構造的に、継続的に、80年代から続いてきた。選挙不正、と以下でも書くが、正確には、きわめて黒に近い灰色レベルの疑惑だ。

 疑惑を暴こうとした人は何人もいた。連邦政府の一部門が、メスを入れようとさえした。

 しかし、反骨の弁護士が裁判をおこしたものの、予定していた証言者が突然、飛行機で墜落死するなど、小説のような事態まで引き起こしながら、かろうじて「疑惑」のレベルにとどまっている。

 コリアーさんの趣旨を、ざっくりまとめると、次のようになる。

 アメリカでは、2000年の大統領戦紛糾をうけて、障害者や高齢者など、だれもが投票しやすい投票システムを開発すべし、とのプロジェクトが始まった。02年のことだ。提唱者のジョージ・W・ブッシュ大統領は、投票システムを改善する州に補助金を出すといったため、各州は、コンピューター投票システムを導入した。

 ところが、アメリカの投票コンピューターシステムは、共和党とつながりの深い、若干の私企業によって開発を牛耳られている。そして彼らの開発したシステム自体が、きわめて脆弱なものであり、ちょっとした知識があればはっキング可能なものだった。

 投票方法には、紙でする方法と、コンピューター画面をタッチして投票する方法がある。票よみには、選挙管理委員会の監督のもと、手で数える方法と、コンピューター集計がある。

 選挙不正を追求するNPOの調査では、コンピューターを導入した選挙区では、共和党候補が優勢になるという傾向があるという。

 ではレポートで記されている具体例を紹介しよう。

 コンピューター投票システム開発を握っているのは、主に2社。その1つは、ボブとトッド・ユロセビッチという兄弟が1979年にネブラスカ州で創設した会社だ。その会社ES&Sは、企業買収を繰り返しながら、いまも、アメリカの投票システムの開発を握っている。

 彼らのお膝元、ネブラスカ州ではこんなことがあった。96年の選挙で上院議員に当選した共和党のチャック・ヘーゲルは、立候補表明の2週間前まで、ES&Sの会長だった。候補表明後は会長職は退いたものの、同社の親会社の大株主ではあり続けた。

 開票3日前までの世論調査では、へーゲルと民主党の現職候補の支持率はともに47%と拮抗していた。ギャロップ誌も「結果は読めない」と言っていた。

 しかし開票結果は、15%もの大差でへーゲルの勝利だった。

 02年の選挙では、民主党から出馬したチャーリー・マツルカに対して、へーゲルは83%もの票を獲得、歴史的大勝をおさめた。

 しかしである。ネブラスカ州では民主党員は40万人もの登録があるのに、マツルカが獲得したのはわずか7万票。マツルカは建設労働者で、資金も知名度も低い。それにしても、あまりにおかしいと、マツルカは上院倫理委員会に調査を要求した。

 ところが倫理委員会は要求を拒否。マツルカが手で票を数え直してほしいと要求したら、州法は「票の再集計は、初回と同じ機械を使って行わなければならない」と定めているという。

 同じ機械を使う、とはすなわちES&Sの投票用紙スキャナーを使う、ということ。全く、マツルカにとっては意味がない。

 要するに、ネブラスカ州では、選挙投票コンピュータ会社の元会長が上院議員になり、その会社のコンピューターを使って投票・集計していた。「おかしい」と対抗馬が声を上げても、「その会社のコンピューターしか使えない」と突き返された、というはなし。

 けれども、一上院の議席を巡る疑惑なら、まだ「ネブラスカの問題」だと片づけられるかもしれない。しかし話はさらに広がる。長くなったので、続きは次回へ。



フリーライター
長田 美穂
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。2010年8月に『ガサコ伝説『百恵の時代』の仕掛人」(新潮社)を刊行、10月よりシアトル在住。


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